「粉引」=「こひき」とか「こびき」とかいわれる器。
土台の粘土の上に白化粧といわれる粘土で「お化粧」し、その上から釉薬を掛けて焼く技法です。
白磁の固い白と比較すると、やわらかな白。
そこが人気の器です。
実際に柔らかい焼き物です。
水分がしみ込みやすく、染みになりやすい。
なので、粉引の器を初めてお料理に使う前には「おろす」作業が必要です。
よく「米ぬかで煮る」「米のとぎ汁で煮る」と染みになりにくく、よい、と言われます。
実際そうなのです。
が、ワタクシは面倒なので、水に一晩つけるだけです。
今回、7.5寸の器をおろしました。
一晩、じっくり給水させます。
水をはった桶に粉引の器を浸しますと、画像のように、グレーの斑点ができます。
器の表面にある貫入やピンホールから土に水が染込むためです。
このような感じで、乾いた器に色のあるお料理を、いきなり盛りつけると、このような斑点が「料理の色付き」で出来上がってしまいます。
ですので、乾いた器には、お料理よりも先に、とりあえず水を染込ませてしまうワケです。
一晩経ちました。
このように、斑模様が消え、器にまんべんなく水が染込みました。
粉引を「おろす」作業完了です。
一旦「おろし」た粉引でも、使うときは毎回、お料理を盛る前に数分~十分程度水に浸し、器を拭いてからお料理を盛るようにすると、染みになりにくくなります(絶対ではナイ)。
まぁ、長く使えば、染みはできていくものです。
そうして器とは長く付き合っていってくださいね。
面倒ですか? 楽しいですよ♪
※「おろす」作業に、もう一手間かけるのが面倒でない方は、米ぬかやとぎ汁で煮てみてくださいね。