今回は、ただいま開催中の「八田亨展」より三島手の器をご紹介。
今回の八田さんの個展での三島手は全て「黒三島」でした。
ベースの土の部分に黒い釉薬がかかっているタイプです。
今残っているのは、蕎麦猪口、6寸皿、7寸皿、8寸皿、大ぶりな徳利と大ぶりな碗です。
「三島ってなんですか?」というご質問を沢山いただきますので、少しご紹介しますね。
この画像のような模様のある器を「三島手」といいます。
器の表面に彫り込みを入れ、その凹んだところを白土埋めて絵柄を出しています。いわゆる象嵌模様のことです。もともとは李朝初期の器の装飾技法で、桃山時代の茶人たちに愛された、古くからある技法です。
なぜ、この表現技法のことを三島手というようになったかについては諸説あります。
有力なのは、静岡の三島大社が発行していた「三島暦(みしまこよみ)」という暦の文様に似ていたために、三島手と呼ばれているということ。「暦」からきているので「暦手」とも言われています。
三島手は粉引や焼き締めと同じように、器の作り方の技法の名前で、作家が勝手につけているものではないのですよ。なので、他の作家の器にも、窯元の器にも、三島手という器があります。
「三島手」という器に出会った際には、ちょっと思い出してみてくださいね。
八田亨展より
「八田亨展」
最近、焼締の器に力を入れている八田さん
「いいものができるようになってきました」 と、
楽しそうにお話くださいます
今回は、定番の白掛、黒掛、三島に加えて、
長年試作を繰り返してきた焼締の器が並びます
ぜひ、お運びください
会期 2021年4月17日(土)~23日(金)
会期中無休
営業時間 12時~18時 最終日17時まで