10月24日(土)から開催する「山田隆太郎展」を前に、相模原の藤野にある山田さんの工房にお話しを伺いに行きました。
ももふくで山田さんに個展をしていただくのは、4年ぶりになります。
山田さんは、工房にある穴窯や登り窯といった、薪を使った窯で焼かれる、焼きの面白さを楽しめる作品を中心に、電気窯を使って焼かれるカジュアルな器なども作っています。特に今年の1月に開催された、村上隆氏のKaikai Kiki Galleryでの大きな個展では、普段とは違った、器ではない壺などの大物に力をいれて作陶なさり、大好評だったそう。現在、大変お忙しくご活躍なさっています。
器を作るようになって15年ほど。焼き物を作ることの面白さ、難しさと同時に、「ほしいと言ってくれる人の期待に応えたい」と、常に、求めてくれる人の気持ちを大切にした作陶をしてきたのたそう。始めた頃は、技術的なことで悩むことが多かったけれども、近頃は、薪の窯で焼くものであっても、だいたい「こんなものができる」という勘所がつかめてきたとか。
工房におかれている大きな壺を見て、「いいですね。これ。」といったら、「あ、それは、失敗したんです」「そういう焼き上がりは求めていなくて」とおっしやる。「これで失敗なんですか?」と尋ねましたら、「その焼けの手前を狙っていた」「でも、近頃は、失敗といっても、だいたい想像の範囲におさまっている。以前のように、ダメだったー、なんでだろう?というような悩み方をしなくなった」のだそう。そうやって、技術的なことは、こなれてきたからこそ、今は、「次にどこへ向かうのか」。そこを試行錯誤しているところだそう。
脂が乗り出して、次のステージにさしかかっている、といったところでしょうか。山田さんは、いろいろ思ったり、考えたりして、うんうん唸りながら、個展の作品も作ってくださっています。
そんな山田さんの気持ちは、窯の入り口に鎮座する「神様」にも伝わっているらしい。神様の頭がくるっと回転していました。この神様のいるところ、前回は「ドラちゃん」がいたんですよ。→昨年4月にお訪ねしたときの話
そうやって窯の神様にも協力してもらいながら、ももふくでの個展の器たちが、焼き上がってきています。今回、たくさんの普段使いの器をリクエストしています。山田さんの「今」が詰まった器たちが、ずらっと並びます。ぜひ、楽しみにして、いらしてくださいね。
工房ネコの「うし」さんからのメッセージです。
相模原の藤野で作陶している山田隆太郎さん。
薪窯で焼かれた土と釉薬が作る、
表情の面白さが魅力の器たち。
家で作るいつもの料理を、
ご馳走にしてくれる力があります。
そんな器に、ぜひ、出会いにいらしてください。
会期 2020年10月24日(土)〜30日(金)
会期中無休
営業時間 12時~18時 最終日17時まで