百福 

作家の器の店 南青山

卵焼き器のはなし 

今朝はシンプル定食。卵焼きに納豆、きゅうりの浅漬け、白ごはん、蕪と三つ葉の味噌汁、グレープフルーツ、お茶、コーヒー。犬を連れて「あさんぽ」に行ったら、風が気持ちよく爽やかだったので、朝ごはんも、この空気感の中で食べたい、と思って、白磁と染付で夏らしい組み合わせにしてみました。夏の食卓の、白と青の組み合わせは最強ですよ。

朝食で使った、新道工房さんの白磁丸つなぎ皿 大、入荷しています。オンラインショップにUPしていますので、ぜひどうぞ。

さて、卵焼き器のはなし。
我が家には卵焼き器が3つあります。どれも「銅」の卵焼き器です。関東型という正方形のものが1つ。関西型という長方形のものが2つ。そんなに持っていて何に使うの?って感じですけれども、買うときに何にも考えずに買って、使ってみたら失敗だったな、と思って、買い足して、を繰り返した結果、3つに増えてしまった。

結婚した当初、どうしても銅の卵焼き器がほしくて、まず、四角い関東型というものを買いました(一番右のもの)。関東に住んでいるのだから「関東型」を使うのがいいのだろう、と単純に思ったのです。えぇ、あの頃は料理ってものを全く知らなかった。

正方形の関東型、普通の卵焼きを作るのには、あまり向いてないのです。なぜならば、この関東型というのは、最初からたっぷり卵をいれて、厚手に焼いて一発で返すタイプの厚焼き卵をつくるのに向いた形だから。伊達巻とか、鰻やあなごを入れて焼くのに向いている形なのです。

一方長方形の関西型、これは出汁巻卵のような、薄く焼いて、なんども巻き上げて焼くような卵焼きを作るのに向いた形。一般家庭で作る、普通の、あの卵焼きを作るのに向いているのは、この関西型。

そのことを知ったのは、正方形の卵焼き器を使い込んで、随分たってから、器屋を始めた頃だったように記憶しています。器屋を始めて、いろんな地方に出かけて、お料理をいただくようになって、西と東の料理の文化の違いというのを、目で見て、味わって、なるほど!って、理解した頃に、じゃぁ、卵焼き器は関西型でなくては!と、長方形のものを買い足したのです。

最初に買った正方形のものも、二番目に買った長方形のものも、卵を3個使わないと上手な卵焼きができない。だから我が家では、いつも卵を3個使って卵焼きを作っていました。ふっくら大きい卵焼きで、見栄えもするのですけれども、最近、これを朝食に食べるには、ちょっとボリュームがありすぎる感じがしていました。歳ですかね?

そこで、最近3番目の卵焼器を買いました。卵2個で美味しく焼ける、小さいタイプ。これが、とってもよくて!巻き上げたときの太さも、切ったときの見栄えも、お腹に入ったときの満足感も。

我が家は中高年2人家族。コレステロール値も気になる今日この頃。焼いた卵焼きは4等分にして、一人二切れを食べるのですが、それには、このサイズがぴったりでした。これを手に入れてから、卵焼きを作るのが楽しくて、嬉しくて。卵焼きが朝食に登ることが増えたのでした。

器もそうですけれども、調理道具も、その家庭に合った大きさというものがありますね。家族が増えたり、減ったりして、暮らしが変われば、必要な器も変わる。道具も変わる。いつでも、今の自分に合ったものを選んで使っていけると、いいですね。暮らしの贅沢。


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