6月15日は金継教室 3回目でした。
着々と割れや欠けの器のお直しが進んでいる金継ぎ教室の皆さまです。
今回も和気藹々、楽しく作業をすすめていらっしゃいます。
さて、湿気の多いこの季節。生の漆は、結構早く固まっていってしまいます。
なぜならば、漆は乾燥するから固まるのではなく、湿度によって固まる性質があるからなのです。
難しい話しをしますね。
日本や中国産の生漆に含まれる成分の多くはウルシオールという成分ですが、ほんの少しだけ、ラッカーぜという酵素が含まれていて、このラッカーぜが空気中の酸素を取り込んでウルシオールを硬化させています。
このラッカーゼが一番活性化する環境というのが、気温20〜25℃、湿度60〜75%。梅雨時期の空気、ドンピシャなのです。
金継では、なんども、なんども、生漆と、そのつなぎになる素材とを混ぜあわせたものを、割れや欠けの箇所に塗っていきます。なんどもなんども、漆を練る。
梅雨は、その作業を素早く行わなければならないのです。あっというまに漆が硬化してしまうから。練っている側から、変質していきます。なかなかに気候に左右されるものなのです。
手早く、そして丁寧に、金継ぎの作業をしていく皆さまなのでした。
金継教室に、お問い合わせを沢山いただいています。
次回の教室は秋の開始となります。
参加ご希望の皆さま、どうぞ楽しみにお待ちくださいませ。