※11/19 スミマセン。文中に間違いがありましたので訂正しています。
今日は天野志美さんによる金継教室の3回目でした。
前回の教室では、
工程1 器の洗浄 (金継する器についている汚れをしっかり落としておく)
工程2 欠けた器の「固め」:その箇所に生漆うるしとテレピンを混ぜたものを塗る。
割れた器の「接着」:糊うるしを割れた箇所に塗って器を接着する。
工程3 「固め」したものは数日風呂で乾燥させる。
「接着」したものは一月ほど動かさないようにして乾燥させる。
までをしました。
今回は「工程4 下地調整」から。
「欠け」の器と「割れ」の器は工程が違います。
まず、欠けの器。
欠けた部分に「コクソ」というものを使いますから、コクソづくりから。
最初に糊うるしを作ります。今回は糊うるしを「ごはん」を使って作りました。(ちなみに前回は上新粉を使いました。書籍などでは小麦粉などを使うのが一般的のようです。)
ごはん粒を滑らかになるまで練り上げ、そこに生漆を混ぜてさらに練り、細かくしたコクソ綿を混ぜ込み地の粉をいれます。
↑
これがコクソです。(作っている間にどんどん漆が酸化して色が濃くなっていきます。)
このコクソを、前回うるしを塗った箇所に、小さなヘラで押し込むようにつけていきます。
塗っては乾かし、塗っては乾かし、という作業をしながら、コクソが器の表面と同じ背くらいの高さになるまで、何度も繰り返します。
コクソは一日では乾きませんから、乾燥に数日ずつかけながら、何度も繰り返します。
なので、今回は、何度も塗り重ねるという作業は宿題。
次に「割れ」の器。
前回、割れの断面に糊うるしを塗って割れを接着した箇所は、漆がはみ出して盛り上がっていますので、その部分を刃物や耐水ペーパーを使って、なめらかに整えていきます。
この作業が、なんとも難しい。ちょっと削りすぎると漆がパリッとはがれてしまうので、新調に丁寧に進めなければなりません。
そうして削った箇所に、今度は黒漆を筆をつかって丁寧に乗せていきます。
ここまでが工程4。
次。工程5。
割れも欠けも、工程4の「下地調整」が終わったところで、その箇所に炭粉を蒔いていきます。
ここまでが、今日の内容でした。
今日の内容は、実際には、漆を乾かしながら、何日も時間をかけ、回数を重ねなければいけない作業なので、工程と作業のポイント、コツなどを一通り教えていただき、あとは宿題です。
持ち帰って、教えてもらった作業を何回も繰返し、仕上げていきます。
天野さんの金継は、装飾としての金継ではありません。
「直した器が水漏れなどがないように。直した箇所に力が加わったときにも、剥がれてしまうことがないように。」という実用に耐える金継なのです。
なので、上の画像のように、仕上がりは、漆が少し盛り上がった仕上がり。これを装飾としても美しく仕上げる、という金継です。
そのために、書籍などで書かれているより、ちょっと工程数が多かったりするかもしれません。
「金継入門」というよりも「本格金継教室。必要な作業ははしょりません!」なのであります。
でも、参加なさっている皆さん、とても楽しそうに作業をなさっています。
面倒な工程をこなすことも、教室の楽しみのひとつなのだろうなぁ、と思います。
次回は一月後。宿題ができていても、できていなくても、次の工程に進みます。
現場からは以上です ビシっ