上の画像のように口のついた器は「片口」といいます。鉢の片側に注ぎ口がついた器です。
もともと液体をそそぐための道具。土器の時代からある形であることをみても、道具として古くから確立された形の器です。
昔は酒や醤油を樽から小さな容器に移す時に使われていた道具でもあり、徳利と同じように酒器としても好んで使われて来た器です。
お酒好きの陶芸家は「お酒を呑む時は片口で」という方が多かったりしますので、お酒を注ぎやすいよう、手に持ったときの手取りの良さを追求したものや、注口の形にこだわったもなどがあって、なかなか楽しい器なのです。
今どきは日本酒を呑む機会がぐっと減っていますので、もっぱら形を楽しむという使い方がされていて、料理の盛り鉢として使えるようなものが多くあります。
丸い器が多い中で、ちょっこんと口がついている器があると、食卓に変化がでて楽しくなりますものね。
大きめの片口は鉢として煮物を盛ったり、和え物を盛ったりしても粋な雰囲気が楽しめますし、小さな片口は自家製タレやドレッシングなどをいれて道具として使える器です。
いつもの食卓にひとつあると、楽しい器です。
片口、使ってみてくださいね。