今週末、4月23日(土)〜29日(金)に開催する「髙木剛展」を前に、髙木さんと工房のことをご紹介します。
髙木剛さんは、1978年 鹿児島生まれ。高校卒業後、東京のギャラリーに縁があり、そこで出会った陶芸に魅せられ、陶芸家を志すことに。山梨県の陶芸家田村六鵬氏の元で修行ののち東京で独立。その後、京都に移住。現在は福岡のうきは市の山の中腹に工房を構えています。
当店で最初に個展をしてもらったのは2015年、2018年に木工の落合芝地さんと2人展に参加してもらいました。今回は5年ぶりに個展をお願いしています。
お会いした10年前頃は、粉引の器を中心に、カジュアルなものも作られていましたが、2012年に韓国の青松白磁窯での研修に参加して以降、李朝陶磁に魅せられ、そこにある美を、髙木さんの自身が考える美の中に取り込み作陶するようになったそうで、現在は粉引だけでなく白磁や焼締も作っています。
京都にいた頃は、灯油窯ととても小さな穴窯で作陶されていましたが、うきは市に移転してからは、大きな穴窯を作り、薪窯での焼成割合を増やしています。
今回も薪窯で焼かれた器たちが並びます。
この髙木さんの工房、なんと、なんと、壁が、ないのです。屋根はある。でも吹きっさらし。
びゅーーーーーんっ、と山からの風の吹き抜ける空間で、蹴轆轤を回しています。さすがに轆轤の前には衝立をたてていますけれども、この風の中で轆轤を回すのは、大変気持ちがいいのだとか。
髙木さんはずっと蹴轆轤(足で蹴って回すタイプの轆轤)を使っていますが、風に吹かれながら、自然と自身とのリズムを合わせ、早すぎず、遅すぎずの轆轤回しが、器を形作るのに具合がいいのだそう。
大・中・小の轆轤を作るものの大きさで使い分けていて、それぞれ、ちょっとずつ中心がずれているらしいのですが、それもまた具合がいいそうで。
髙木さんの器たちは、肩の力が抜けた、柔らかなフォルムが魅力。
今どきの器(軽いものが多い)に比べると、実は少し重たかったりするのだけれども。
「これちょっと重たくなーい?」と訪ねると「そうかなー? いやいやいや、これがいい」とおっしゃる。
では、実際にどうかと使ってみると、髙木さんの言う通りで、その重さがよかったりする。
柔らかなフォルムと、ずしんとした重さが、とても心地いい。
髙木さんの器は、食べたご飯がしみじみと体の内側に行き渡るのを感じられるかのような器、なのでありますよ。
23日(土)からの個展に、ぜひ、お運びください。髙木さんの器に出会ってくださいね。
福岡県うきは市の緑豊かな山の中腹に
風通しのよい工房を構え
器づくりをなさっている髙木さん。
工房の周りの自然を映し出したかのような、
おおらかで味わい深い器が並びます。
ぜひお出かけください。
4月23日(土)〜29日(金)
会期中無休
営業時間 12時~18時
最終日17時まで