「このポツポツとしたもの何ですか?」
って、結構聞かれます。
「これはキズですか?」
「ここきら染みたりしますか?」
って聞かれます。
これ。器の中心にある、ぽつぽつ、ザラザラした跡。
「目跡(めあと)」っていいます。
器を重ねて焼いた際の跡です。
キズではありません。
器を重ねて焼く際に、上の器の釉薬と下の器の釉薬同士が溶けて、ひっついてしまわないように、小さく丸めた粘土の粒などを器と器の間にかませるのです。
その粘土の粒を、焼いた後に取った跡が「目跡」です。(←これ、ひらがなで全部書いたら、なんだかさっぱりワカラン文章ですね 笑)
貝殻を使ったものなども昔はよく見ました。最近あまり見ないです。こうした小さな部分にも流行ってあります。
で、この跡、意外にも「ここから染みたり」しないんですよ。
この部分は、なぜだかしっかり焼けている。
染みたりするのは他の場所で、釉薬に入る貫入やピンホールからになります。
この目跡、量産品にはあまり見られません。それは何故かというと、大きな窯だと、器を一気に大量に焼き上げられるから。重ねて焼く必要がないのです。
でも、作家ものだと、結構あります。窯、小さいですからね。一度に沢山焼けません。
でも作家は、むしろ、あえて「目跡」をつけて楽しんでいます。器の景色のひとつとして、わざわざ、つけていたりするもの。
わたしは、この「目跡」のあるものが好きで、やっぱり「わざわざ」それを探して選びます^^
やっぱり、なんだか景色がいい。お料理盛ると隠れちゃうんですけれどもね。
そういうところにも「器」を選ぶ楽しさがあるのでありますよ。