今日は、天野志美さんの金継教室5回目でした。
今回は上塗りと、金蒔きの仕方です。
前々回の教室でやった工程5(中塗り)までの宿題は、漆を乾かしては塗りという作業を何度も重ねる必要があるので(しかも今は漆が乾き難い時期なので)、まだまだ仕上がりまでには時間がかかります。
なので、今回は前回に引き続き練習。内容は、上塗りの仕方と金蒔きの仕方です。
まずは上塗り。
仕上げを漆仕上げにする場合は、この行程が最後になります。また、この上に金などを蒔く場合は、その下地となる作業です。
今回は、仕上げに金蒔きを想定していますので、下地としての上塗りの練習です。
まずは弁柄を漉紙で漉します。(漆の中にある細かいゴミをとるための作業)。
※上に金を蒔くための下地なので、金の発色がよくなるように弁柄を使いますが、銀や錫を使う場合は黒漆を使います。
次に、中塗りまでしてある割れの箇所に、筆を使って、漉した漆をのせていきます。
この上から金を蒔くために、漆を半乾き程度に乾かす必要がありますので、一旦風呂(湿度を一定に保つための室)にいれます。
風呂は湿度が70〜80%。今回は段ボール箱で風呂を作り、中にお湯の入ったコップをいれて湿度を調整しています。
ここに、だいたい15分程度おきます。
漆の状態が半分乾いた程度のところに、仕上げの金を蒔いていきます。(今回は練習なので金ではなく真鍮。)
この際、下地の漆の乾き方が甘いと、上から蒔いた金が漆の中に沈んでしまい、下地の色がでてしまいます。そうなった場合には、再度風呂に入れて、漆の乾き具合を調整します。
上手く金が蒔けたら、そのまま一週間程度風呂に入れて、蒔いた金を定着させます。
今回、上塗りの作業はここまで。
次回までに、ここの作業まで仕上げられる器は、この作業までが宿題です。
今回は、仕上の作業で使う砥石を付けた↓こんな道具も作りました。
金継は、よく書籍などで言われているほど簡単なことではないようです。
綺麗に仕上げるためには、兎に角時間がかかる。
漆を乾かしては重ね、乾かしては重ね、という作業に時間がかかります。
そして、その作業の途中で、気温や湿度調整が上手くいかないと、塗った漆が縮んだりよれたりして、その作業をやり直さなければならなかったりします。
漆のヨレや縮れを気にしないで、仕上げてしまうのであれば、その手間は省けるようですけれども、せっかく直すのだから、美しい仕上げにしたいところ。
次回最終回。
割れてしまった器が新たなスタートを切れるように、仕上げの作業をしていきます。