灰釉グレーの小皿。ガラス質の釉薬に入った貫入が素敵なのだ。
小さめの取皿として、ちょっとしたおかずを乗せたい皿。
卵焼きとか、海苔とか、佃煮とか、漬け物とか、和菓子にもいいですよ。
径12.5cm 高さ2cm 1944円
さて、よーく見ていただくと右側の皿に、点、点と、白い模様が見えると思います。
これを「目跡」といいます。
器を重ねて焼くときに、上の皿が下の皿にくっついてしまわないよう、上の皿の高台に粘土の粒をおいて下の皿に重ねるのですが、その跡が「目跡」です。
皿の表面にもついていますけれども、高台の部分にも跡があります。
焼く際に、一番上にくる皿には目跡はありません。
量産品の器には、まず、ありませんから、見慣れないものかと思いますが、作家ものには結構多いのですよ。
こうして焼くと、枚数を沢山焼ける、窯効率がよいというわけなのです。
作家は大きな窯を盛っている訳ではありませんので、沢山焼くには工夫が必要なのです。
とはいうものの、実際には、目跡を景色として楽しむために、あえて重ね焼きをしているという部分もあります。
古い器にはよくあります。
古いものがお好きな方や、焼き物好きな方は、こういう器がお好きです。
使う際に「そこから染みたりしないのですか?」とよく聞かれますけれども、これが不思議なことに、目跡からはあまり染みにならないのですよ。
こんな小皿だと、ちょっと漬け物を盛ったりしたときに、この目跡がアクセントになり、一種の絵柄と同じ効果があって、カッコ良く見えたりします。
目跡は器の楽しみの、ひとつ、と感じていただければ嬉しいです。