秋の七草。
この淋しげな淡いピンク色が、秋の草木の中では異色な感じがして、あまり好きではなかった。
もう少し紅に寄っているとか、もう少し紫色に寄っていると、秋色なのになぁ、と勝手なことを思ったりする。
よく、染付の絵柄で描かれている「撫子文」。
文様にすると華やかだけれど、実際の花は繊細ではかない感じ。
なぜ、そんなに愛されているのか?
さっき、この花を摘んで、ちょっと判っちゃった。
この花、ものすごく香りがいい。
蒼々と瑞々しいような、あの花屋の香り。
花屋に入ると溢れる花と緑と、あの香りに、全身が浄化されるような感じがするのだけれども、その香りなのだ。
香水では味わうことのできない瑞々しい香り。
秋の枯れて乾燥した野に逆らうような瑞々しさ。
こ・れ・かー。
きっと、これ。
花は形だけで愛されているのではないのだ。
そうかー。
そうなんだなぁ。
2013年11月9日(土) ~16日(土) 12時~18時 会期中無休
豊増一雄さんは有田で初期伊万里のもつ風合いを追求した磁器を作り、
余宮隆さんは熊本で地元の土を使い土と火が作る表情を追求した陶器を作る。
二人とも登窯の仕事。 陶芸の本質に向き合う作り手。
濃く深く渋い器、並びます。
是非、手にしにいらしてください。