ほんのすこし昔、器は5客セットで買うというのが主流でしたし、5客セットで売っていました。
理由はいろいろあるようですが、「4人家族で(←少し前の家族の姿のスタンダード)一人1客ずつ+割れた時の予備で一客=5客」という考え方が主流だったからです。
今は、家族の形も多様ですし、セット販売という形も少なくなっていますから、必要な数だけ買うことができますし、買う時の数にはこだわらなくても大丈夫。
一人暮らしの方は1客づつでもいいし、3人家族の方は3客ずつ揃える、5人家族なら5客。
「ウチのテーブルは6人掛けだから6客づつ揃えるワ」、また「一客ずつ全部違っても楽しいかららOK」という方も多いです。
和食器でも、特に作家の作る土ものは、全部バラバラでも、テーブルに並べた時に、なんとなく面白みがあって、違和感がないことが多いです。
それぞれの席で、それぞれ違う器にお料理が盛られていても、なぜかしっくり納まる。
これが和食器のよいところ。
ですから、器を揃えて買わずに、一客ずつ、好きなものを、という集め方もアリです。
ただ、食卓に、ちょっとした統一感が欲しい場合は、器を揃えるときのコツがあります。
家族分を揃えるものと、バラバラでもいいものを、ご自身の中でルールを作る。
例えば、コップだけはお揃いにするとか、取り皿だけはお揃いにする、メインの中皿だけはお揃いにするとか。
数を揃える時は2客ずつにする、4客ずつにする。
などです。
コップだけ、小皿だけ、でも揃っているとそれなりに統一感がでます。
器好きの亭主のいる割烹料理店などでは、折敷(トレー)とグラスや漆器の椀だけ一緒であとは全部バラバラ、というところもあります。
こういう店で食べるのは、とても楽しいです。
ただ、土ものはバラバラでも面白いですけれども、染付や色絵の小皿や小鉢などは揃っているほうが統一感がでます。
絵柄があるものは、絵や色味や形がバラバラだと、少しウルサい感じになりますね。
いろいろ試しながら楽しんでください。