いざ、器を揃えようと思っても、作家ものは「高い」。
と思われてしまうことが多いです。
私も器を買い始めた頃は、いろいろ知らずに、ひゃぁーって思ったことありました。
なので、そう思われるのもわかります。
実際、作家ものというのは、陶磁器メーカーで作られるもの、窯元のもの(民芸はここになります)、輸入されるものなどのような量産品に比べると、確かにお高いです。
それは何故かといえば、作りが違うから、ということになるでしょうか。
といっても質の問題とは、ちょっと違う。質がいいとか悪いということではありません。
作る際に、作り手が目指している方向性が違うから、といったほうがいいのかもしれません。
量産されるものというのは、量産できるよう、大量に供給できるよう、沢山の人々にいきわたるよう、土の選び方からデザイン・生産効率にいたるまで、そのように設計され、生産されているものです。
手に入れやすい値段で、沢山の人に買って使ってもらえるように、という作られ方です。
手頃なものが多いです。
一方、作家ものというのは、一人の作家が考える「器」という形を目指したもので、それというのは、やはり作品なのです。
器の表情や雰囲気を大切にし、そのために土や釉薬が選ばれ、作り手によっては自ら粘土から作る人もいますし、あえて古くからある手間も時間もかかる技法を選び、それに挑戦しているものもあります。
原材料や手間ひまを惜しんだモノ作りではありません。
効率を求めるモノ作りを、していないのです。
沢山作り、沢山売ることを目的にしていないのです。
その作り手が考える「器」というもを形にした作品です。
ちょっとお高い。
とはいえ食器ですから、手にとってもらえる値段で、と考えられて値段がつけられています。
一客売れても、かけた時間や手間には、とても見合わないような、本当にわずかな儲けしかありません。
それでも、器を作ることを仕事とし生業としている作家だからこその思いが、そこにはあります。
作家の器の値段は、食器というモノとしての価値だけではなく、作家の器への情熱や思いへの対価なのです。
作家ものの器の値段とは、そういうものなのだということを知っていただけると嬉しく思います。
当店でお取り扱いさせていただいている作家の器の値段の目安です。
めし碗 2000円〜10000円 (3000円前後のものが中心)
小皿・小鉢 1000円〜 (2000円前後のものが中心)
中皿・中鉢 2000円〜 (3000円前後のものが中心)
大皿・大鉢 4000円〜 (5000円〜8000円前後のものが中心)
漆器 椀 8000円〜 (9000円前後のものが中心)
ガラスコップ 2000円〜 (2500円前後のものが中心)
マグカップ 2000円〜 (3000円前後のものが中心)
すべて税別