お休みをいただいて、京都右京区の山の奥の奥にある、髙木剛さんの工房にお邪魔してきました。
高木さんには3月21日(土)〜27日(金)に個展をお願いしているので、打ち合わせと、沢山、沢山、聞きたいことがあって、話をしに行ったのだ。
やはり、時間をかけて話をすると、その人に対する理解が格段に深まる。
その人の仕事に対する理解も深まる。
高木さんは、現代の食生活の中で、粉引という面倒で手間のかかる器を、どう作ると使いやすくなるのか、粉引とはどういうものなのか、ということと向き合っている作家です。
高木さんに会ったのは、今から3年ほど前の「工房からの風」というイベントでした。
粉引好きの私は、いつでも粉引の作り手を探しています。
その当時(今でもそうかもしれませんが)、粉引はツヤのないマットでザラっとした質感の粉引が人気でした。
ですから、イベントなどで出店している作家の粉引も、圧倒的にマットで岩のような質感のものが多いのです。
そんな中、そこで出会った高木さんの粉引は、ツヤとほんのり御本のある、ちょっと古めかしい雰囲気の粉引でした。
目立たないし、今時感はないし、汚れやすいタイプの粉引。
でも、それを見た瞬間、「あ、これ、探していたものだ」って思った。
この雰囲気に挑戦する作家がいるんだ、って思ったのです。
この人の器を使ってみたい、店で紹介したい、って思ったのです。
そうして、高木さんとのお付き合いがはじまりました。
粉引は、汚れやすい器です。
もともと、茶席の茶碗として、お茶が染みて色のついていく景色を「育つ」といって愛でたものです。
育つ。
「育った」茶碗。
それは、多分、お茶をやっている人にしかわからないような、そういうものです。
見る人から見れば「染みて、黒ずんで、うす汚れた」ようにしか見えないもの。
粉引は染みる器です。
ですから、現代の、色味や油の濃い料理をのせるのに適した食器の作りではないものです。
でも、あえて、その料理をのせるのであるならば、粉引は、どうあるべきか。
高木さんは、そこに挑戦しているんだなぁ。
その、高木さんの粉引を、今、高木さんが思う「粉引」を、見せてもらえないだろうか、
と思って、個展をお願いしました。
高木さんにお聞きした話は、あらためて書きたいと思います。
3月、高木剛さんの個展をします。
どうぞ、見にいらしてください。
予定に入れてくださいね〜♪
高木さんです。↓
あ、うそ。高木さんの家の犬でした。
テラ、カワユス♡
高木さんです。↓