増田勉作 ぐい呑み いろいろ 各2700円
「作家ものの器ばっかりの食卓なんて、うるさくて、気持ち悪いだろ」
と、ある人は言う。
そらぁ、そう。そうなのだ。
作家ものの器って、その作り手自身だもの。
いろいろな作家の器をならべたら、あーだ、こーだと、それぞれが、それぞれを主張している。
その上、自分の作った料理がのっかっちゃっているものだから、賑やか。
濃ゆいのだ。
ぎゅっと何かが詰まったものたちが発する、その気配。
器が語ったり、するわけじゃぁないのだけれども。
器を作った本人と、おしゃべりするのとは、全く違うのだけれども。
賑やかだ。
器を作った人の真ん中の部分、人の部分が、そこにある。
だから。
作家ものの器が並ぶ食卓はうるさいのだ。