作家の器には、何か、がある。
それはやっぱり、画像だけでは伝えられなくて、もちろん言葉にもできなくて。
実物を手にしてみないとわからないものかもしれない。
でも、それは確実にそこに存在していて、それは必ず手にした人に伝わるもの。
器は、その形の中に、言葉にはではない膨大な情報を孕んでいて、見たり、触れたりすることで、使う人に、それが流れ込んでいくのだと、わたしは思っている。
「洋服とかは全然ほしくならないんだけれど、器は見るとどうしても欲しくなります。」
「器を手にすると、内側から満たされる感じがする。」
「豊な感じがする。」
って、お客さまがいいました。
そうなの。
そう。
誰かの何か、を満たすものではなくて、自分の内側を満たすもの。
自分自身を豊にしてくれるもの。
それが器なのだ。
「それがこういう値段で手にできるのって、すごい。」
って、お客さまがいいました。
そうか。
そういうことか。
そういうことです。
そういうものです。
作家の器。