粉引とは 構造 2 染みになりやすい理由

      2013/12/10

うつわ好きになったきっかけは「粉引の器」です。

という方はとても多いです。
それほどに、魅力のある器なのですね。

でも、それだから、最初に失敗してしまって、和食器は難しいと思われてしまうこともあったりします。

和食器のことは、ちょっと知っていれば「失敗しちゃった」がなくなりますし、深く知っていれば「納得」「だからこうして使おう」が自然に、普通に、当たり前にできます。

なので、もう少し粉引の構造の話にお付き合いくださいね。

前回(→こちらの記事)では粉引が3層構造だということをお話しました。で、今回は、「3層構造だとなぜ、染みになりやすいか編」です。

粉引 断面2

粉引の器の断面を拡大してみると、

素地の粒子、
白化粧の粒子、
釉薬の粒子、

それぞれの粒子の大きさが違います。

素地の粒子が一番大きく、
つぎに大きいのが白化粧の粒子、
一番小さいのが釉薬の粒子です。

器は窯に入れて炎で熱した際に、それぞれの粒子が熱によって溶けて結合します。

それが焼きあがると、しっかりとした器として機能するわけですが、この結合が、それぞれの層で粒子の大きさが異なるために、違う層同士の結合が甘いのです。

2層構造の器の場合、粒子の細かい釉薬が粒子の粗い素地土に入り込んで結合しますので、その結合はある程度なじみ、強いものとなっています。

3層構造の場合、粒子の細かい釉薬は、白化粧の部分とはある程度結合しますが、素地までは届きません。素地は白化粧部分と結合しています。

で、だ。

器は使うときに「熱」が加わりますよね。熱いものをのせたり、冷たいものをのせたり。

物質は熱を加えると「膨張」したり「収縮」したりしますよね。

その膨張、収縮率は、物質によって違いますよね。

粉引の場合、この膨張・収縮率が各層によって違うので、熱を加えた際に各層で引張りあい、層と層の間に小さなクラック、亀裂が入りやすいのです。

器にお料理を盛りつけた際、亀裂ができ、そこにお料理の汁が入り込む。

なので、染みになりやすいのです。

ご理解いただけましたか?

まだまだ、粉引の話、つづきます。

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粉引とは 構造 1 

      2013/12/10

川口武亮 粉引ポット

粉引のポット。
お茶を煎れる道具。

少し大振りで、ほうじ茶や紅茶に合う形です。

さて、粉引。
「こひき」とか「こびき」といわれる器。やわらかな雰囲気が人気の粉引。

せっかくなので、この粉引の作りを知ってくださいね。

知っておくと、粉引の扱い方が面倒な理由、染みが付きやすい理由、欠けやすい理由、がわかります。

粉引は、ベースとなる土台である素地(もちろん土)に白化粧(これも土)をほどこし、その上から釉薬(これも土の一種のようなもの)を掛け、窯に入れて焼いてできたもの。

粉引の構造↓

Aというベースの土に、
Bという違う成分の土でカバーをし、
Cという、これまた違う成分の土でラップ

粉引 断面これが粉引の成り立ちです。

この「3層構造」というところが、この器が染みになりやすかったり、貫入が入りやすかったりするわけですが、その理由は、また次回。

ちなみに、他の技法で作られたものは「2層構造」がほとんど。
焼締は「1層」素地のみです。

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粉引という器

      2013/12/10

増田勉 粉引丸湯呑

粉引。

こひき、とか、こびき、といわれる器。

とても人気のあるタイプの器です。

「粉引」というと

「土ものの白い器」
「やわらかい雰囲気」
「温かみのあるうつわ」

と一般的には思われています。
そう。それで合っています。

でも、実は、粉引の白。

作り手によって、ものすごく違いがあります。

粉引1

粉引2

粉引3

粉引4

これ、全部粉引です。
これが粉引の「白」です。

画像ではわりにくいかもしれませんけれども、
色合い、質感、雰囲気、
どれも全て違います。

ピンクっぽいもの。
黄色っぽいもの。
グレーっぽいもの。
青っぽいもの。

白といってしまうと、すこし違和感がありますか?
でも、これが日本の白。
和食器の白です。

白のバリエーション。

なぜこんなに違いがあるのか。

それは、
作り手によって、表現したい粉引が違うから。
作り手が考える「粉引」はこういうものだから。

一般的に一番人気なのはアイボリー系のプレーンな「白い粉引」ですが、意外と作家は作らないタイプのものでもあります。

作家って、だから作家なのです。

表現したいものがある。

味のある「粉引」が作家ものには多いのです。

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